武家屋敷
江戸時代に伊賀上野城の城下町として栄えた伊賀を歩けば、今もその名残を感じることができます。武家屋敷もそのひとつ。江戸時代の武家屋敷はその大半が個人のものではなく、藩が所有していた土地や建物を藩士に貸し与えたもので、藩士は職務内容や俸禄に見合った屋敷に住んでいました。
伊賀に残る武家屋敷 入交家住宅は長屋門や上役が訪問した際に使用する式台玄関を備えた、格式の高さがうかがえる武家屋敷で、茅葺きの主屋が風情ある佇まいを見せています。ほかにも土塀や大きな犬矢来が重厚な印象を与える赤井家住宅など、見応えのある武家屋敷が残ります。
武家屋敷 入交家住宅
寛政年間(1789〜1801)の頃、藩から藩士・入交勘平に与えられたとされる武家屋敷。土間や主屋、座敷など、随所に武家屋敷の特徴を感じられ、当時の暮らしを偲ぶことができる。また武家屋敷の大きな特徴のひとつである長屋門が、県内で唯一残されている。
- TEL
- 0595-26-0313
- 開館時間
- 9:00〜16:30
- 休館日
- 火曜休(祝日の場合は開館)、年末年始(12/29〜1/3)
- 料金
- 大人200円、小人100〜150円
- 住所
- 三重県伊賀市上野相生町2828
- アクセス
- 伊賀鉄道上野市駅から徒歩約7分
町家
町家は城下町において、主に町人が住んだとされる建物。道路に面して店舗の建物があり、中庭を隔てて奥に居住用の建物が立つ、表屋造りの形式が多く見られます。外観は木の格子を特徴とし、2階には漆喰塗りの虫籠窓を備えるものもあり、情緒を醸しています。
現在ではその数は少なくなりましたが、伊賀には町家を再生した施設もあります。歴史の重みを感じさせながら和モダンな雰囲気を演出できる町家は、レストランなどの店舗にもふさわしい建物といえます。明治時代末期頃に建てられた町家を活用したイタリア料理チッタでは本格的なイタリアンだけでなく、町家の意匠が残る空間も味わえる贅沢なひとときを過ごせます。
イタリア料理チッタ
約100年の歴史を刻んだ町家を改修したイタリアン。イタリアのトスカーナ州で腕を磨いたシェフが、伊賀牛や和歌山県串本町の漁港直送の魚介など、良質な素材の味を生かした料理でもてなす。前菜とパスタ、メインなどが付くコース料理がおすすめ。
- TEL
- 0595-22-8320
- 営業時間
- 11:30〜22:00(LOは20:30)
- 定休日
- 火曜休(祝日の場合は翌日、月曜はディナー休)
- 住所
- 三重県伊賀市上野農人町423
- アクセス
- 伊賀鉄道広小路駅から徒歩約2分
レトロ建築
伊賀上野城の南西エリアには、明治〜大正時代に建てられた近代建築物が点在。明治14年(1881)に建てられた、小学校校舎としては県内最古の旧小田小学校本館や、明治期の旧制中学校建築として現存する数少ない建物のひとつである上野高校など、洋風建築の校舎は今でも美しい姿を保っています。
現在も利用されている大正時代築の上野文化センターは、木造3階建ての商業建築の遺構として貴重な建物。1階はcafe wakayaのカフェスペースとなっており、2階では雑貨を販売しています。上野市駅の駅舎も、現役で使われている大正時代の建築物。マンサードと呼ばれる、天井が高い三角の屋根が印象的です。城下町の名残をとどめる伊賀で、レトロモダンな建物が近代の街の姿を伝えています。
cafe wakaya
大正11年(1922)に自転車屋の倉庫として建てられ、現在は国の登録有形文化財に指定されている建物の1階にあるカフェ。伊賀の豆腐田楽の老舗・田楽座わかやの豆腐を使った、豆腐ハンバーグやおからスコーンなど、ヘルシーなメニューを味わえる。
- TEL
- 0595-24-2627
- 営業時間
- 11:00〜18:00
- 定休日
- 月曜休(祝日の場合は翌日)
- 住所
- 三重県伊賀市上野中町3024
- アクセス
- 伊賀鉄道上野市駅から徒歩約5分